染めて、描いて、押絵して
30数年以上も前に東京新宿のデパートで「大谷光栄押絵展」を見学して、初めて知る絹布の染描きの押絵作品の美しさに驚きました。以来、江戸友禅の教室で染めを、日本画では面相に必要な技術を習い、日本古来の色の微妙さ、一本の線の難しさを感じながら、押絵を作っています。
既存の布と、白生地からの染描きの布とを使分ける事に依り、私の作品作りは、より自由さを増し、調和を増す事となり、「東海道五十三次」や、「植物十二ヶ月」シリーズなどの、表情豊かな愛着のある作品が、多く誕生しました。
現在、作品の多くは、額や羽子板等に貼る事がほとんどですが、洋服の胸やスカートの裾に貼り付けたり、ブローチや子供達のオモチャにと、工夫を重ねて楽しむ範囲を広げて行きたいと思っています。
 
					
				 
					
				 
					
				 
					
				 
					
				 
					
				 
					
				 
					
				(文:阿久津 華重/下野手仕事会40周年記念誌『下野手仕事会四十年之軌跡』P22-23より)

 
	
 
			