次世代にも愛用していただく手仕事品
私が県の伝統工芸展で、日光下駄の実演をするようになった頃に、手仕事会に入会の誘いがありましたが、当時は技術的にも十分満足できなくて、入会など恐れ多く、約2年後に何とか恥ずかしくない下駄と思える様になったので、入会させていただきました。
入会後は、会員の方々の助言やコラボレーションなどをしていただきまして、日光下駄の履きごこちはもとより、鼻緒の種類や竹皮色付け、台木のサイズ、形、塗り、彫り、とお客様の要望を全て叶える事を目標に作って来ました。
会員としては、私も含めて、全員の技と作品を一人でも多くの方々にアピール出来るように、協力していきたいと思います。
特に今般の東日本大震災以降、世の中は、省エネやエコの方向へ進んでいます。
その最先端を担う基礎が手仕事でしょう。次の世代にも愛用していただける手仕事品としての日光下駄を作って行きたいと思います。
(文:山本 政史/下野手仕事会40周年記念誌『下野手仕事会四十年之軌跡』P76-77より)

